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2001年11月22日 オーストリアやイギリス、長野のバイオマス展などの報告会要旨


11月22日の、オーストリアやイギリス、長野のバイオマス展などの報告会の阿部さんのオーストリア報告概要です。

『オーストリアで木質バイオマス利用が伸びるわけ』

 阿部さんは「オーストラリアで木質バイオマス利用が伸びるわけ」と題して報告。
1990年代後半から木質ペレットの利用が急激に増加している理由をバイオマス協会、燃焼機メーカー、民間研究所で探った。
 オーストリアは森林率50%で、薪を使ってきた木の文化がある。エネルギーは90年代に入って石油価格が下がり、
石油やガスのボイラーが増加していった。それまで薪を使っていたのが転換したのは価格が下がったことだという。
94年、木炭生産会社がペレット生産に乗り出し、96年ぐらいから急激に利用が伸びている。
家庭用暖房は石油とガスがそれぞれ20%以上、木質バイオマスは10%の割合。ペレットメーカーは12社、燃焼機メーカーは23社という。
 価格を見ると、灯油は1g当たり517・5シリング(1シリングは約8円)に対し、ペレットは1`当たり2・2シリング。
カロリーは灯油が約2倍なことから、4・4シリングとすればペレットの方が経済的。「もともと木を愛する意識がある」ところに昨年から灯油は値上がり気味で、まずますペレットが経済的になってきているという。
 石油やガスの暖房普及前の木材ボイラーは旧式で、扱いやすさに劣っていた。それが現在、ペレット燃焼機は自動燃焼制御になり価格も下がったことが、木の文化や環境意識を背景に「ペレット需要を押し上げている」と分析する。
 岩手での取り組みの方向性としては「これまでの環境関係は概念的、感覚的に流されてきがちだったが、きちんと数字を抑えなければならない」と、県内の森林賦存量がどれだけあって、どのくらい出せるか、エネルギーとして使えるのはどれくらいかといった調査
の必要性を指摘。「木質だけでなく木質と地熱ヒート、木質と風力といった組み合わせなど地域の実情に合わせた供給も考えていくべ
き」と提案した。
 県の工業技術センターや林業技術センターでしている研究を途上でも「オープンにして発信し、できるだけ良いものを作ることが必要」とも述べた。


『始まったばかりのイギリス木質バイオマス利用』−木質バイオマス利用の定着に向けて−

岩手大学農学部  伊藤幸男

1 イギリスの森林・林業

 イギリスは森林率がわずか10%、木材生産量は900万m3/年であり、木材自給率はわずか15%にとどまる。製材工場も390工場しかない。
このような森林・林業を前提として、どのような木質バイオマス利用がなされているだろうか。

2 イギリスの木質バイオマス利用の現状

 現状では発電2基、チップボイラ1基、ペレットボイラ1基、ペレットストーブ12事例といわれている。
 このように、木質バイオマス利用が進まない理由として次の2点が指摘されている。
ひとつは、エネルギーは暖房も含め電気形態での利用が中心であること、
もうひとつは森林地帯と送電線の配置にミスマッチがあり、電力利用についてもインフラ整備が前提条件となることである。
 イギリスでの木質バイオマス政策は、木質バイオマスを直接暖房や給湯に使うことよりも、再生可能エネルギーのひとつとして捉え、
電力政策を中心として展開してる。

3 再生可能なエネルギーに関する制度

 イギリスにおいて実施された制度のひとつは、NFFO Framework(Non Fossil Fuel Obligation、非化石燃料義務、1992〜1998)である。
その特徴は次の通りである。
・再生可能なエネルギーの購入の価格、総量、契約期間を地域電力会社に義務化
・プレミアム価格をNFPA(非化石燃料買取局)が支払い
 この制度によって、バイオマスを含む再生可能なエネルギーの電力単価は通常電力の2〜3倍以内までに下がってきた。
 NFFOにかわって現在実施されているのがNew Electricity Trading Arrangements(新電力取引制度、2000年11月〜)である。その特徴は以下の通りである。
・電力供給者義務:再生可能なエネルギーを一定割合供給する義務
・グリーン認証取引:電力供給者は再生可能なエネルギーをBuy-out価格
(=市場価格+グリーン認証価格)で購入することが可能
・気候変動課税:再生不可能な産業用電力に対して電力コストの15%まで課税する


4 ウエールズにおけるバイオマス利用の取り組み

 国家レベルでの制度の樹立が見られるものの、地方分権に移行したイギリスでは各地域ごとに独自の取り組みがなされる。
 今回調査で訪れたウエールズでは、今のところ再生可能なエネルギーに関する基本方針がない。フォレストリー・コミッションin Walesとともに
バイオマスの可能性を探っている段階である。
 面白い点は、再生可能なエネルギーへの関心は、二酸化炭素対策ではなく、地域の失業問題の解決に関連して高まっているということである。
パルプ用材の再生紙への転換、ポンド高による輸入材の急増と木材価格の下落、これらによるマーケットの喪失とウエールズ林業の衰退、
といったことが背景となっているのである。

5 イギリスに学ぶ点:行政、産業、地域住民を結ぶ中間的組織の存在
  −Coed Cymruの事例−

 イギリスの取り組みはヨーロッパの中でも遅れている印象を受けたが、現段階でイギリスから学ぶべき点は技術的な側面や制度面ではなく、
それらを定着させるための手法であろう。
 バイオマスから少し離れるが、事例としてCoed Cymruという非営利組織を紹介する。この組織は、1985年に在来樹種の保全、造林の継続、森林の持続を目的に設立された。
農家への森林管理の指導(ウエールズ内の約3,000の森林、面積で15,000haを管理、指導)し、グループ認証(30の所有者が取得)を実現。また、農家自身による製材と木工の指導を行い、農家の新たな所得機会を創出している。Coed Cymruは、Forestry Commission, Countryside Council of Wales, Local Authorities, National Park in Wales, Farmers Union of Wales、といった行政の各セクション、農業団体などで構成されている。
 ある政策を実現・定着させようとしたとき、それは必ずしも産業軸のみで整理されない場合が多く、「地域」がそれをどのように受止めるかが大切になる。
イギリスにはCoed Cymruのような組織が数多く存在し、「地域」を枠組みに産業や利害を横断的に統合し、政策の実際的な定着を担う中間的組織となっている。
 アメリカでは、行政と一個人あるいは一経営体が直接に対応するイクステンション・システム(普及制度)が発達したが、様々な組織と利害が
重層的に存在するイギリスでは、このような政策的中間組織が発達したものと考えられる。
 日本への適用と木質バイオマスの地域レベルでの定着を考えた場合、既存の組織やシステムを緩やかに統合する中間組織の存在が重要だと思われる。


『名古屋木工機械展、伊那谷バイオマスってなんだ展など』

ストーブ、ペレット製造機、ブリケット製造機、ボイラー、発電関連の
木質バイオマス関連機器の紹介をしました。

■ストーブ
自分の家の薪ストーブ
東北PS 輸入薪ストーブ
野崎商工 スウェーデンのペレットストーブ
河西 イタリアのペレットストーブ
新栄トレーディング カナダのペレットストーブ(代理店募集)
オリバートレード ペレットストーブ(代理店募集)
暖炉用ペレット・ブリケット燃焼かご

■ペレット、ブリケット製造機
 御池鐵工 ペレット製造器、おが粉製造器、ドライヤー
 千代田技研 ペレット製造機
 冨士鋼業 おが粉製造機
 新東工機 ブリケット製造機
 ニチメンマシナリー ペレット製造機
 タカハシキカン ペレット製造設備
 新柴設備 ブリケット製造機

■ボイラー、温水器など
 関口鐵工所 温水器、ボイラー
 新柴設備 ボイラー
 タカハシキカン ボイラー他
 長府製作所 ボイラー

■発電
 富士製作所 燃焼炉、発電システム 100kW〜
 東芝 発電所(1000kW以上の木質バイオマス発電が出来る所募集中)
 細田電気 蒸気タービン発電所
 潟買@イアブルテクノロジー 木ガス発電機 
 潟Xターリングエンジン スターリングエンジン 
 前田製管梶@スターリングエンジン 
 ユアサ ダイレクトメタノール燃料電池
 メタノール抽出 長崎総合科学大学坂井研究室