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第1回木質バイオマス公開講座
豊かな暮らしと木質バイオマス〜感じる木の温かさ〜


主催;岩手・木質バイオマス研究会
日時;2004年8月7日(土) 13:00〜16:00
場所;紫波町立上平沢小学校
出席者;38名

■ 校舎とペレットボイラーの見学



上平沢小学校は平成15年3月17日に完成。造作材、構造材は無垢の木材で造られており、ほとんどが町産材を使用している。柱と壁材は杉、梁は赤松と唐松、床板は赤松、土台はクリが使用されている。延床面積は2,831m2で木材使用料は約1,000m3。工事費は暖房設備含め751,545千円。天井板を設置せずに光を通したり床板に節のあるものを使用したりし、自然との一体感を出している。中庭は近くを流れる滝名川をイメージするなど随所に紫波町の自然環境や生活環境をイメージした設計がなされている。木の香りは季節や天候によって変わる。
ペレットボイラーは二光エンジニアリング製で50万kcal。工事費は69,377千円。サイロの容量は7トンで昨年の冬はペレットを15回補充した。1日約500kg使用していた。重油よりはコストは高い。

■ 紫波町の取り組みについて(紫波町環境課循環政策室 中田久敏室長)
環境と福祉の町を目指し、資源循環の町づくり、環境創造のまちづくり、環境学習のまちづくりの3つの目標をかかげている。
資源循環の町づくりとして、町から出される生ゴミや蓄糞を循環活用する堆肥製造施設えこ3センターや町産材を使用した上平沢小学校、虹の保育園を建築した。
平成15年には町の取り組みが評価され、環境省の循環・共生・参加まちづくり表彰『環境大臣賞』を受賞した。

■ 講演

◆木造校舎とペレットボイラーを使って」 森田 雄一 氏(上平沢小学校校長)
全国から視察者が来る。
木造校舎は転んでも痛くない、体にいい、風景となじむ等長所がある。子供の感想として広い、明るい、気持ちいいことがあげられた。木はエネルギーを持っている。輝いており、120年の梁が私たちを見守っているようである。木造のデザインは情緒的で、しっくりくる。
ペレットボイラーは全国の小学校で初めて導入された。いつも暖かい。ただ、子供たちはボイラーを見ておらず、燃料もペレットであることを知らないのが残念だ。
上平沢小学校は町民や建設に携わる人々の思いがあってこそ出来上がった。校舎に使用した木材を出した学校林は町民が60年間手入してきたものである。
校舎自体が素晴らしい教材である。このような取り組みが散発的ではなく全国に広がってくれればと思っている。



◆「木質ペレットストーブのある暮らし」 高橋 俊一 氏(ペレットストーブ利用者)
スウェーデン視察の参加や環境への関心、目に訴える暖かさが導入のきっかけになった。
住宅は木質枠組造2階建(2×4)である。一階が2部屋、二階が3部屋で間仕切が少ない。階段が吹き抜けの替わりで、暖まった空気が二階に上がるようになっている。
ペレットストーブ導入前は石油ボイラーによる温水ルームヒーターで石油の消費量は年間1,400L。電気代は15万円であった。導入後はペレットストーブが暖房のメインとなり、石油消費量は700Lに減った。電気代は12万円になった。
平成13年11月に設置した。設置費用は本体価格420,000円、煙突、設置工事費315,000円、住宅改造費577,500円で合計1,312,500円であった。
ストーブはスウェーデン ペレックス社製。重量118s。出力3〜6kw。燃料タンク容量38L(23kg)。使用燃料はホワイトペレットで灰分率は0.2〜0.5%。着火時間約2分。温度調節器が付いている。
燃焼は最小出力で十分部屋全体が暖まる。
ペレットの消費量は年間約1トン。1日7時間燃焼させると1回の補給で3〜4日もつ。価格は30〜35円/s。冬の暖房費は、石油で35,000円なので35円/sならば石油と同等になる。灰は1トン使えば5sである。バケツ1杯にならない。ガーデニング用に庭にまけば問題はない。
ペレットストーブを使ってみて分かったことをあげる。速暖タイプではなく、暖まるのに20〜30分かかる。燃料の補給をその都度行わなければならない。ガラスが曇ってくるのできれいな炎を見たいのなら1日1回拭くことが必要である。蓄熱による効果があり、余熱で数時間暖かい。
導入するコストをいかに安くするかが課題である。自分が導入して得たデータが普及の材料になれってくれればと思っている。



◆「我が家の冬越し」 若山 拓也 氏(薪エネルギー利用者)
ユースホステルに泊まったときに鋳物の薪ストーブがあり、興味をひかれた。
ストーブはメイスンリヒーターといい、石造りのストーブである。石はソープストーンという特殊なもので、熱を長時間蓄えることができる。蓄熱は石の特性と重さで決まる。
ストーブの特徴として、柔らかい暖かさが長持ちすることである。厳冬期でも1日1回(2時間)の点火で十分暖かい。二つ目は常に最大火力でたくことである。その際でも有毒ガス、すすの発生は少ない。三つ目は熱効率と燃費がよいことである。
このストーブは輻射熱で人や物を直接暖める。家の中央に置くのが効率的である。自然の対流で熱を循環させ、家全体に暖気を回す。一階と二階の空気がよく出入できるように設計した。
ストーブには120℃になるオーブンが付いており、煮物のような簡単な料理が作れる。
価格は本体と煙突費含めて200万円である。高いか安いかは個人の価値観による。20〜30年は使えることや車にかけている費用をストーブにと考えれば高くないと思っている。
薪は、切った木を捨てるに捨てられない人から了解を得ていただいている。薪集め、薪割りも仲間と協同でやれば効率よく楽しくできる。



総括質疑
Q・・・どのようにして木造校舎を導入できたのか。
A・・・(森田)携わる人の思いが一致したことが何よりも大きい。議会では反対する人はいなかった。

Q・・・ペレットストーブや薪ストーブの導入及びメンテナンスにあたって配偶者の方の意見はどうか。
A・・・(若山)妻は導入には賛成した。心配したのはたきつけであったが問題なかった。メイスンリヒーターは蓄熱するので朝寒くならないし、煙突に暖かい空気が昇るのでたきつけは5分で済む。ストーブの手入は自分で楽しみながらやっている。灰掃除は2週間に1回。煙突掃除は2〜3年に1回行えばよいと思っている。
(高橋)灰掃除は自分で行っている。3〜4週間に1回。煙突掃除は5年に1回でよいと思う。

県からのお知らせ(岩手県商工労働観光部 産業振興課 上野 一也氏)
家庭用のいわて型ペレットストーブのモデル機が8月23日に発表になる。9月一般販売で10月大量生産の予定。窓を大きくし、オーブンが付いている。本体価格は241,500円で工事費30,000円。排気筒が8,750円である。
石村工業所のストーブは薪もペレットも燃やせる。価格は煙突費等含めて26,7万円。
県から、公共施設に設置する市町村に20万円、県内の住居及び事務所等に設置する方には5万円の補助を用意している。期間は平成17年3月20日までで先着600台の予定である。




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