林業機械メーカーの北進産業機械㈱（筒井学代表取締役、岩手県花巻市）は6月11
日、小型チッパーと国産初のチップバーナーとを発表した。小型チッパーは、従来の
製紙用より細かい粉砕チップが製造可能で、燃料やきのこ栽培などにも利用可能。
チップバーナーはまだ試作段階だが、ボイラー（電熱）部分を加えると国産初のチッ
プボイラーとして利用できる。
小型チッパーは、30ｋＷと0.7ｋＷのモーターを利用。小径木を入れると幅4～9ミ
リの繊維状になり、さらに16枚のハンマーで細かく砕く。筒（サイクロン）内では風
で巻き上げられたチップはおが粉状から5ミリ～1㌢程度までが分類された状態で排出
される。現在のところ直径13ミリまでの小径木で1立方㍍あたり10分程度の処理能力
がある。
小型トラックでの積載や作業車で牽引も可能だが、動力は独立したエンジンが必
要。価格は600万円～650万円という。
一方、チップバーナーは、まだ試作機の状態だが、150,000ｋｃａｌクラスの小型
機。ホッパーに入れたチップをスクリュー状の送り出し装置で燃焼部に運び、ガス化
させた上で燃焼する。含水率80％以上でも燃焼可能。燃焼部と送り出し装置に苦労し
たという。灰はフライアッシュとして排出されるため、ボイラー設備上は集塵機が必
要となる。価格は未定。
いずれの機械も、同社役員と社員が当研究会のスウェーデンミッションを通じてア
イディアを得たもの。「国内には事例がないため、試行錯誤した結果」（担当者）と
話していた。
見学会には、岩手・木質バイオマス研究会員、行政関係者や森林組合関係者、林業
関係者など多数訪れた。特に燃料のためのチッパーは国内にほとんどないため、メン
テナンスや内部構造などを詳しく質問していた。
（事務局長 金沢滋）
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北進産業機械株式会社
